ロンドン ワーホリ起業家ブログ

イギリス(ロンドン)での生活に必要な情報を共有します。

海外で働くことのメリットとデメリット

先週はビザ調査にリスボンへ行ってきました。
日本人として事業を行うには面白そうな国なので、移住候補の一つとして考えています。

さて、今日は、海外で働くことについて書こうと思います。
(いや海外って主語大きすぎ、日本から1時間強の韓国の田舎街も物価最安国の貧しい暮らしも海外やで・・・とかいうツッコミはさておき

£1が190円、1ドルが150円を超えて、日本人が海外旅行をするのはいよいよ難しい状況になってきましたね。
円換算での価格だけではなく、ロンドンの最低時給はこの春から£11.4です。日本円だとおよそ2,100円。最低時給がこれですから、平均給与も高いです。
では、お金だけのために海外で働けますか?
そもそも物価や税金も高いので実際に手元に残るお金は実際にはわずかだったりします。
それでも海外で稼ぐメリットってなんでしょうか。
今日はお金以外に焦点を置いて、海外で働く、ということについて考えてみようと思います。

まず。
海外で働くというと、
一般的には欧米の主要都市あたりを想像し、キラキラ生活をイメージする人が多いのでしょう。
かく言う自分も幸運にもLAのど真ん中とロンドンのど真ん中に住み、
特にLA時代は実際、周りの人のおかげでとんでもなく華やかな、映画のような生活をしていたのでそう言う例外もあるでしょうけど

まあ前述した通り、海外って言っても本当にピンキリですし、実際には、ほとんどの人にとって、周りの景色と言語が少し変わるだけででしょう。
平日はひたすら働いて、仕事の後にスーパーに行って、ご飯を食べて、寝る。
休日はちょっと休んで、パートナーと家で映画を見て食事をする。
そんなものじゃないでしょうか。
せっかく海外にいるんだから何かやらなくちゃ!!と思うのも初めの1-2ヶ月だけ。
その後は、日本と変わらない日常がやってきて、いや、むしろ海外生活のストレスで病み始める。そんなもんだと思います。

そこでしかできない趣味があれば別かもしれません。
例えば、私の場合・・・
・有名なダンサーさんのダンスレッスンに行ける
・ミュージカル鑑賞とカジノが好き
・隣国への短い出張に行ける
これらの掛け合わせはロンドンしかできないと言えるでしょう。
でも、これも時間とお金があるからできる娯楽です。

となると、実際には単純に割と過酷なのが海外生活だったりします。
では、そんな中でも学べることってあるのでしょうか。

 

メリット1 常識を破壊できる

毎日、ツッコミだらけです。
日本では非常識!あり得ない!と思うようなことを
良かれと思って行っている人がいたり、何も悪いと思っていない人がいたりしますから、「いやいやいやw」みたいなことが毎日起きます。
これをイライラする人もいるんでしょうけど、イライラしていては気持ちが持ちません。
色んな常識の人と共に生活をすることで、大体のことを諦めて受け入れらる用になりますし、そもそも、この世に「正しい」なんてないですからね。
極論、法律だって、各国で変わりますから、正しさはその時々変わるってことだと思っています。
気がつけば大抵のことは笑って済ませられるようになります。
ある種の諦めですが、心は相当広くなります。
そして、逆に言えば、自分も自分の思うままに生きて大丈夫と言うことになりますから、自分が思うままに生きれます。
郷に入っては郷に従えですから、その国の文化やルールを守ることは大前提ですが、自分の中の常識を壊して生きていけるのは素晴らしい経験だと思います。

メリット2 新しい視点が身につく

メリット1に近いですが、日本は日本人が多く、日本人は日本語を話し、基本的に同じ価値観が多く、全てのものが自分にとって当たり前なので、視野が固まりがちです。
でも、自分がマイノリティとして自分が知らない世界にいると、新たなビジネスチャンスや、新たな視点からのものの考察ができるようになります。
例えば、ロンドンではシェアハウスが一般的ですから、シェアハウスを探すアプリがあります。どんな建築スタイルの家か、何人までがいいか、性別や職業はどんなものがいいか、などを選ぶことができます。日本では見かけたことのないサービスで、とても面白いなと思います。じゃあこれを日本市場に転用することはできないだろうか?と考えたりします。

また、例えば、企業文化の話で言えば、私がよく違いを感じるのは企業のお金の使い方です。西欧諸国や社会主義国では、皮算用で予算を多めに投資し、良かったものを残し、悪いものを排除するという考え方が多いように思います。一方、日本では、よく分析した上で小さなお金を小さなところに投資し、ゆっくり様子を見て、よければ予算を拡大するところが多いように思います。
どちらが正しいってことはないですが、見方を変えると結果も変わってくるので、様々な角度から物事を考える力が身につきます。
物事はビジネスに限らず、見方次第で捉え方が変わるので、さまざまな視点から物事を捉えると人生も少し違って見えると思います。

メリット3 鶏口牛後

確かに海外で働くには、現地の言葉がビジネスレベル以上にできることは前提で、それに加えて現地民以上のスキルが求められます。また、日本で通用してきたことが全く通用しない世界でお金を産むのは大変です。
ですが、優秀な人は日本でも or 日本にいながらでも、多額の利益を生み出しているので、結局、自国で稼げる人は自国で稼いでいると思います。
つまり、外に出れば、日本人×優秀な人が少ない世界になります。(シリコンバレーを除く
ビジネスの本質の一つは希少性です。
この、希少性が手に入ると言うことです。

事実、自分が日本語で事業ができているのは競合が少ないかつ、物価が高いロンドンだからであって、日本では歯が立たないと思います。
英語ができることと、ビジネス経験があることは日本でもプラスだと自負していますが、日本語指導だけで言えば、私より素晴らしい先生は日本ならいくらでも、無数にいると思います。
(もちろん、私の語学学校では、未熟なりに努力を重ねて、日本以上のレベルを提供したいと思っていますし、ロンドンで1番良い先生である自信がありますけどね
例えば美容師だとか寿司屋だとかも、こちらでは希少ですから、技術がほぼなくてもお金を稼ぐことができます。
そういう意味では、能力不足の人にもチャンスを与えてくれるのが、海外で働くということです。
話をビジネスから逸らすと、数学やダンスもそうでした。日本では数学もダンスもど底辺な私も、他国の私がいたコミュニティでは”神扱い”をされていました。
もちろんコミュニティによるのでしょうけど、場所を変えると自分のポジションが変わったりします。

環境が変わることによって見方や立ち位置が変わるのがメリットだと言えると思います。

では一方でデメリットとは。
まあ正直、デメリットをあげ始めるとキリがないと思うので。苦笑
致命傷になりそうなものだけをピックアップします。

 

デメリット1 コネクションなしでは仕事を見つけづらい

私の場合は自営業ですが、ほぼ全くコネクションがないまま渡英し、当初はIT事業で生計を立てるつもりでしたが、ITだけではなく飲食や教育分野に関わることになり、最終的に教育分野に落ち着きました。
これまでお世話になってきた職場の方には大変感謝していますし、今の仕事にもとてもやりがいを感じていますが、やはりはじめは本当に、本当に、大変でしたし、今も私のコミュニティはとても小さいので日本より仕事を受ける機会が少ないです。
生活は常にギリギリですし、いつ食べていけなくなるだろうかという恐怖と、毎日隣り合わせです。
従業員として勤務する場合でも、日系企業で働くと大概給与が悪いので、海外就職の意味がありません。そうなると、現地就職をすることになるかと思いますが、この場合、圧倒的な実力か、コネクションがないと現地の仕事を手にするのは、なかなか難しいと思います。

例えば、
あなたが日本人経営者だとして、目の前に2枚の履歴書があります。
1枚目は、日本語が上手めでそこそこ仕事ができるがいずれビザサポートが必要なAさんと、
2枚目は、日本語ネイティブで仕事はまあまあだが、ビザサポートの必要がないBさん

どちらを採用しますか?
という質問があるとします。
普通に考えても、相当な理由がなければBさんを採用しませんか?
誰かの紹介で、いい人だと聞けば、ビザサポートの手間と費用を省いても採用するかもしれませんが、わざわざ、知らない外国人にビザを出す企業はないと思いませんか?
また、ワーホリの場合は有期ですからいずれ辞める時が来る人材ですから、それよりは長期で働ける人を採用する可能性が高いと思います。
そう言うことです。
日本よりも就職が難しい環境で仕事を手にし、パフォーマンスを出し続けることは簡単なことではありません。

 

デメリット2 ビザ問題

デメリット1に付随しますが、ビザ問題は想像以上に精神を蝕みます。
私の場合はビザの期限があり、その更新が難しそうなので、信用を得るのが難しかったり、全力でアクセルを踏み続けるのが難しかったりします。

駐在ビザや技能ビザだとしても、
・転職がしたくてもビザの問題がある
・ビザを給付する代わりに給与は安い
・ビザ申請日は自腹
など、問題が出てきてしまいがちです。
仕事以外のことに心配要素があるとなかなかパフォーマンスを発揮しづらいので、ビザの問題が常にそばにある事はとても大きな問題と言えるでしょう。

デメリット3 有事に日本へ駆けつけられない

住む国やエリアによるとは思いますし、家族がいるか、家族がどこにいるかによりますが、親族に何かあったとしてもすぐに駆けつけることが難しいのは大きな問題だと思います。
ロンドンの場合、移動だけで往復2日かかってしまうと、ちょっと仕事を休んで、なんてことも難しいですし、本当に緊急時には手遅れになることがほとんどですし、直前の航空券はとても高いです。
食文化だとか医療だとかの問題は、代替案を見つけられる範囲ですが、人の問題だけは本当にどうにもなりません。大事な人の有事に駆けつけられないという時、本当に生きる意味について考えさせられます。自分にとっての人生の優先順位は何なのか、考えさせる機会になります。
ま、逆に、あまり参加したくない冠婚葬祭を断れるのはメリットでもあるんですけどね。

 

全ての物事には良い面と悪い面がありますから、一概にいい悪いということは難しいです。
それに、なんでもやってみないと分からないので、トライしてみることは悪いことではないと思います。
ぜひ、他の人や他のエリアでのメリットデメリットも聞いてみた上で、海外で働くとは・・・について考えてみていただきたいなと思います。

ちなみに、私は、色んな国で勤務した結果、
自分が本当に優秀だったら、日本で働いていると思います。笑