ロンドン ワーホリ起業家ブログ

イギリス(ロンドン)での生活に必要な情報を共有します。

日本語講師として取り組んでいること

日本語講師になって約2年弱。
今日は、私が、日本語講師として日頃取り組んでいることを紹介しようと思います。

 

生徒目線のために常に新しい言語を習得する

私は、今はスペイン語のオンラインレッスンを受けています。スペイン語は大学生の頃からずっと勉強しているのですが、まだまだレベルが低いので、中級の生徒の気持ちになれます。毎日、アプリで単語の勉強をして、スペイン語の映画を見たり、歌を聴いたり、しています。
また、去年の9月頃からは超初級の学習者の気持ちを理解するために、フランス語をはじめました。30分のレッスンが気が遠くなるほど長く感じた上に、文字が読めなかったり、発音がわからないのがものすごくストレスで、生徒の気持ちを理解するのにとても役立ちました。
元々、語学が好きなのはもちろんですが、講師でありながら、生徒の立場に立つことで、顧客の気持ちを考えられるようにしています。また、いろんなレッスンを取りながら、分かりやすい授業や面白い教材について考えて、いいアイデアは自分のレッスンにも取り入れるようにしています。

 

日本語の意味を常に調べるようにする。

私は、日本で日本語講師の420時間の講座を取りましたが、授業の内容は文法の使い方が1/3ほど、そのほかは日本の文化や歴史、教育学、模擬授業などでした。
日本文化について勉強したいと思っていたのでとても満足だったのですが、日本語講師としては十分ではなく、語学についてはまだまだ未熟で手探りな状態なので、授業の前は日本語の使い方を調べて、間違った説明がないように勉強してから、授業に入るようにしています。
日本人なので、日本語文法を何気なく使っていますが、名詞の後はどう変化する、とか、動詞のグループ分けとか、知らないことがたくさんあります。
この間も、仮定の「たら」と「なら」の使い分けについて聞かれて少し悩みました。
単語の意味も、意外と分かっていなかったりします。
例えば、「承認」「承諾」「許諾」「受諾」の違いって言葉で説明しようと思うとすごく難しいですよね。でも、きちんと違いを説明できなければならないのが講師なので、疑問に思ったことは逐一調べるようにしています。
初心者からの質問は、「私は、の「は」はなんで「わ」じゃないのか」とか(答えは、平安時代に遡ります)、「私は日本人じゃありません、の”じゃ”ってなに?」とか、「そうなんですか」は「か」がつくのに、疑問じゃないのはなんで?」とか、斬新な質問が多く、これはこれで、確かに何でだろう?って思うことが多いです。
元々語学が好きなので、言葉を知るのは面白いなと思って、勉強しながら授業をしていますが、まあ毎日こんなことを色んなアクセントの英語でひたすら 大人数VS1人 で質問されるので、その辺の圧迫面接よりよっぽど怖いかもしれません。メンタルが強くてよかった。笑
なお、私の経験上ですが、斬新な視点の疑問を持ってくるのは大体UK民です。

 

生徒の好きなものに触れる

できるだけ生徒が学びたいことや、生徒が関心のあるものの話題から日本語を教えるようにしています。
昨年は8歳の在外日本人の女の子が居て、彼女はSpy Familyの話だけは日本語でしてくれる生徒だったので、私もSpy Familyを見ていました。
私は小さい頃から日本のアニメをあまり見てこなかったのですが、彼女になんとか関心を持ってもらおうと毎週必死に見て、ようやく自分もハマりだした頃に
『今週のSpy Family見た?!』
って言ったら、
『もう、アーニャ、おわり』
と言われましたね。
子供の心は変わりやすいです。

こんな感じで、生徒と共通の話題作りのために、最近はナルトと呪術廻戦を見ています。日本の音楽が好きな生徒がいるので、日本の音楽も聞くようになりました。日本の小説や映画もよくチェックして、生徒におすすめができるようにしています。日本語講師の仕事を始めてから、日本に住んでた頃よりずっと日本のことに触れるようになりました。

海外に住む日本人の方はおそらく、小さい時からグローバルな感覚で生きていた人が多いと思います。一方で、海外で生きていると、どうしても自分が日本代表のようになってしまいます。日本に合わない気がして外に出てきたのに、自分が日本人であることを強く意識されるのが海外生活です。この矛盾に苦労する人も多いのではないかと思うのですが、私もそんなギャップから、アイデンティティを見失いかけ、日本語講師の資格を取ろうと思いました。長らく海外に住む私が、こうして毎日、自国のことに触れながら働くのはとてもおもしろいなと思います。

語学は、進学や就職などの必須条件がない限り、モチベーションが落ちやすい分野です。中でも、日本語は本当に難しい言語なので、諦めたくなってしまいます。
それでも、頑張ってついてきてくれる生徒が少しでも楽しく有益な時間を過ごせるように工夫するのも、講師の仕事の一つだと思っています。
まだまだ未熟な講師ですので、生徒と共に日々勉強を重ねながら、良い学校を作っていけたらと思っています。