ロンドン ワーホリ起業家ブログ

イギリス(ロンドン)での生活に必要な情報を共有します。

ロンドンでの起業 / 日本語学校設立

起業方法や経緯については、こちらで記載したのですが、

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今回は、日本語学校の設立方法について、書こうと思います。

まず、
・日本語講師としてのキャリアについて

私は、新宿のアークアカデミーというところで、文化庁公認の420時間の日本語講師養成講座を修了しました。
米国にいた際に、自分の無能さに絶望していたのと、アイデンティティが行方不明になっていたので、日本に帰ったら取りたい!と思っており、日本でのビザ切り替え時に取得をしました。

養成講座の途中から、小さなオンライン日本語学校の日本語講師として勤務を開始し、世界中の在外日本人の子どもたちにオンラインでの日本語指導を始めました。

そして英国に入国後、ロンドンの某語学学校で日本語カリキュラムを作るマネージャーとして週に2日勤務をしていました。日本語講師が全くおらず、日本語講師としての指導もしていました。グループレッスン、プライベートレッスン共に指導をしましたが、ただ、なぜか契約がなく、なかなか過酷な環境でした。
また、他の仕事との兼ね合いもあり、退職を決めました。

・語学学校を始めることになったきっかけ

語学学校の退職を生徒に伝えたところ、本当にありがたいことに、多くの生徒から、このままどこかでレッスンを続けられないか、という相談を受けました。
所属していた学校は、それまで無契約の週2日の労働かつ、他の講師も多くのかたが他の学校で指導していたので、特に問題もありませんでした。(ただ、この時、仁義を切らなかったことが後々トラブルになってしまったので、少し反省していたりもします。)
このときは、まあ自分でも教えられないこともないけど、場所とかどうしようかなと考えていたのですが、ちょうど、この時、ホームレスでした。笑

パートナーとの同居を解消したのですが、まあこれは日本と同じですが、どこかに勤務しているか、6ヶ月分の前金がないとアパートの審査が降りない・・・がしかし、日本の銀行がロックされてしまうという事態が発生し、まとまったポンドを持ち合わせていなかったのです。
日本に帰る時間もない中で、法人があれば家を法人契約ができるかも、というわずかな可能性に掛けて、法人を設立しました。

そして法人設立の翌週あたり、オンラインで家を探していたところ、運よく、リビングを教室として使える格安の2ベッドルームの部屋を一等地で見つけ、すぐに交渉。
すると、なんと大家さんがよく行っていたパブの知り合いの知り合いだったのです。
というわけで、特別に法人でもOK、登記情報と、過去のフリーランス時の売上、日本とアメリカとロンドンの銀行口座残高のみで無事に家兼オフィスを借りることができました。
これは本当にラッキーでした。

 


そんなこんなで、日本語学校を無事に始めることができました。

ちなみに、ロンドンでの日本語学校市場を肌間でお伝えすると、
ロンドンの日本語学校ブルーオーシャンです。
語学学校の数は数えるほどしかいませんし、文化庁公認の日本語講師資格を持っている人はほとんど見たことがありません。
ただ、こちらで熱心な生徒は基本的にカレッジでの日本語のクラスを取ることが多く、民間の学校に来る子は、プライベートのチューターをつけて本格的に勉強したい人か、旅行前の語彙のキャッチアップという人が多いです。
単価は日本の5倍以上ですが、ターゲットは日本の5分の1以下だと思います。

私の生徒は基本的に社会人で年齢層は25-35歳くらいが多いです。

プライベートになるほど年齢層が高くなり、一番上だと70代の方がいます。


では、ここからは学校開始までに必要だったものを紹介します。

・教室
上述した通り、良い物件に巡り会えたので、今は自宅兼事務所として安いところを借りています。
ただ、Zone1の物件なので、とても高いです。
さらに問題なのはセキュリティ・・・自分の身をどこまで自分で守れるかが課題です。
一応、監視カメラ等で対策していますが今後、何が起きるか分からないので、いつかきちんと売上ができたら、コワーキングスペースか何かを借りたいところです。

・マテリアルの用意・プリンター・ホワイトボード

基本的にはプライベートの生徒が多いので、生徒に合わせてオリジナルのマテリアルを用意しています。
自分でスライドを作って、文法の解説やドリルを用意していますが、
練習問題と宿題としては、主に、「Genki」という本と「まるごと」という教材を使っています。

日本語講師を取得した学校では「みんなの日本語」、勤務していたところは「Japanese for busy people」を使っていたのですが、みん日は内容がつまらないこと、JBPはexerciseの質が良くないので、希望者のみ使用しています。

テキストの印刷や宿題のプリント用にプリンターを購入しました。
また、小さな卓上ホワイトボードと、壁に貼るタイプのホワイトボードシートをAmazonで購入しました。

 

・スキルと生徒の募集
これはそもそも、日本語講師資格(文化庁公認)を取得していたこと、他の学校でも勤務していたことが大きかったです。
現在は、イギリス国内の日本語情報サイトのプライベートチューターのところにも掲載してもらっており、ここからの流入もあります。

https://www.jpf.org.uk/language/learning_tutors.php



今の課題

 

マーケティング

マーケターのくせにお恥ずかしいのですが、まず認知拡大ができていません。
1つは予算がないこと。
では予算がない中でのマーケをすればいいのですが、自分が前に出るのが得意じゃないのであまり動けていません。
こちらでは飲食店含め、基本的にGoogle Reviewが重要なので、生徒に協力してもらいつつ

Google Maps

今後は日本関連のブログ・Youtubeを実施していこうかなと思っています。

 

・売上が不安定
プライベートの生徒が多いことの問題は、仕事やホリデーで授業を休む生徒が多いところ。
月謝制じゃないところが他との差別化なので仕方がないと思いつつ、ホリデーをしっかりとる文化のヨーロッパ圏では、生徒がホリデーを取る割合が高く、ほとんど授業ができない月があること。

また、モチベーションを続けるのが難しく、退会してしまう生徒もいる為、売上がかなり不安定で、これだけを本業にするのはかなり難しそうだなと思っています。


・ビザの問題

私のビザは来年の12月に切れてしまいます。
まだ1年以上ありますが、帰国しなければならなくなったら、その後、学校と生徒たちをどうしようか、と考えています。
ちなみに、起業家ビザの申請には資本金£200,000(3,500万円くらい)と安定的な売上が必要です。
Tier2を自分に付与することもできるのですが、これも300万円くらいかかる上に、会社がビザを付与するためのライセンス取得がかなり難しいらしく、現状は厳しいかなと思っています。

どなたか良い案をお持ちの方がいたらDMをください・・・

こんなところです。
いつもそうですが、やはり始めるのは簡単、売上を継続させることは本当に難しいです。
そもそも、日本語学校をやりたくてロンドンに来たわけではないので、自分のキャリアとしてこれが正しいのかという葛藤もありますが、ついてきてくれる生徒がいることは本当に嬉しく、ありがたいことだなと思っています。

小さな小さな学校で、まだまだ新米教師ではありますが、引き続き、目の前の生徒たちが少しでも楽しい時間を過ごせることができるよう、頑張っていこうと思っています。

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